Touch And Goから出るShellacの新作を聴けるという幸せ。これぞShellac。まさにShellac。すごいぞShellac。「ShellacのLPのオマケのCDはリッピングが済んだらさっさと割って捨てるのがマナー」といったような誰かの発言をどこかで目にしていたく感銘を受けて実践した。あえてLPのほうの在庫にリンクを貼っています。
Shellac、Fennesz、Notwist、Sun Kil Moon(Mark Kozelek)、Dakota Suite、SubtractiveLAD、Dntel、Robin Saville(ISAN)などなど、今年はこれまでにたくさんアルバムをリリースしている人やベテランの新作がなぜかビビっとクることが多い一年でした。そしてbvdubもご存知の通り脅威のペースでアルバムのリリースを続ける多作な人。近年のどのアルバムも水準が高いとはいえ、近いタイプの楽曲も多く金太郎飴状態なところもあるアーティストでもあるのですが、今作、特に1曲目の「I Break All Around You」が、これまで通りのいつも彼の音なのに、これまでの彼のどんな曲よりもビリビリと身体の深いところまでに響きました。本作はアルバムの制作のバックグラウンドやリリースの形態に注釈が付く作品ではありますので、特に感情の赴くままにワンテイクで1日1曲を一気に作り上げたというその制作過程の影響もあると思いますが、例えその点を切り離したとしても、この冒頭を飾る1曲とそのままアルバムのラストまで連綿と続く悲しくも美しい感動的なサウンドは、これまでのどのアルバムよりも切なく胸に染みました。20作以上経て届けられた最高傑作。2014年のシーンを考える上での重要な作品は多数あると思いますが、そういうこととは関係ない私的な2014年の1枚、2014年で一番心を動かされたアルバムとして、bvdubのこのアルバムを選ばせていただきました。